魔法の薬

コメントに
「奇跡の薬、魔法の薬はない。そんな薬があったら医者は苦労しない。」
と書いた。


世間(と医者の一部)には薬に魔術的な効果を期待する傾向があるように見える。
たとえば今でも、かぜで診察に来て、「注射打ってください。」という患者さんがいる。
「えっ?!」と一瞬返答に詰まる。
かぜが治る注射なんてない。というかそもそもかぜを治す薬自体がない。
(かぜは自然治癒する病気。肺炎になると別。)


確かに子どもの頃、かぜのときにブドウ糖の注射をされたことがある。
そのときは何となく効いたように思った。
でも、わずかばかりのブドウ糖を食事摂取できる人に注射しても何の意味もない。
意味があるのは、低血糖で意識のない人ぐらいだろう。


奇跡を起こすのは薬ではなく人間だ。
仮に薬が奇跡を起こすように見えるとすれば、
そこにはプラシーボ(偽薬)効果が働いているのだろう。


あくまで仮定の話だが、ランディスが前夜テストステロンを服用して、
それが翌日の奇跡の走りにつながったということがあり得たとすれば、
あるいはプラシーボ効果のためかもしれない。