T/E比のテストについての詳細

cyclingnews.comミズーリコロンビア大学のヒントン氏へのインタビューが掲載されている。

Testosterone, epitestosterone and the doping tests

以下、ポイントとなる部分。

T/E比が4:1または6:1を超えることは直ちにテストステロン摂取を意味しない。
ドーピングを行っていないアスリートで6:1を超えたケースが報告されている。
そのため、カットラインを超えた場合について
世界アンチドーピング機構(WADA)のガイドラインには二つのアプローチが記されている。


1.それ以前かそれ以後(抜き打ちテスト)の3つ以上のサンプルと比べる。
それに対して男性で30%、女性で60%以内の増加であれば、自然増と見なされる。
それを超える場合はテストステロン産生腫瘍か
その他のホルモン異常を来す疾患を除外するために内分泌検査を行わなければならない。


2.IRMSを使った同位体分析を行う。
外因性(合成)テストステロンは植物を原料とするため、
C13(炭素の同位体)が内因性テストステロンより少ない。
サンプルのテストステロンでC13が内因性テストステロンの規準を下回れば
外因性と見なされる。

この通りであれば、IRMSによる分析は二次テストに相当することになる。
(WADAのガイドラインの詳細、特にIRMSの位置づけは初めて知った。)
このテストの特異性がどの程度なのか(測定誤差などによる)という問題はある。
その点について異議申し立てをする(たとえば裁判で)、ということは可能かもしれないが、
WADAのガイドラインにある以上、もしこの結果が陽性ならば、
手続的にはテストステロン使用と見なされることになる。