話は続く

「母集団に何を取るか」、「独立した証拠」、と言った。
ランディスの疑わしさ(主観的確率?)を増す要素はこれに関連してある。


母集団にフォナックというチームを取れば、プロツール選手全体を取ったときよりも、
テストステロンを摂取している割合は高くなるだろう。
実際、2年前から今年にかけてフォナックの選手でドーピングが疑われたのは何と9人目である。
特にハミルトンやボテーロというエース級の選手がドーピング疑惑で出場できなくなっている。
今年のジロで総合2位のグティエレスもだ。


それからこれは触れられていないが大腿骨頭壊死というランディスの持病だ。
医学の常識だが、大腿骨頭壊死の原因の一つはテストステロンも含むステロイドホルモンだ。
(ちなみにもしそうならドーピングがランディスの競技力を上げたとも言えなくなる)


医者であればこういう証拠を積み重ねて疾患の疑いを上げていき、
一定の確からしさ(「治療閾値」という)に達したときに治療を開始する。
ドーピングの場合は、「治療閾値」ならぬ「出場停止閾値」「解雇閾値」だろうか。
しかしそもそもドーピングテストの扱いはそういう確率論的見地に立って
行われているとは思えない。

  • 白か黒かのどちらか
  • 検査は白か黒かを決定できる

こういう前提があるように見える。
後者はもちろん前者も正しくない、と僕は考えている。