戦い終わって…
ちょっとした虚脱感を感じている。
そのせいか、今日は15分ぐらいのつもりで机に突っ伏したら、30分以上寝てしまった。
繰り返すが、今年のジロは素晴らしいレースだった。
ディルーカ。
強かった。特に三週目に入って、ライバルたちの攻撃をアシストの力を借りず、
独力で跳ね返した走りは印象的だった。
元々ハンサムだが、表彰式では惚れ惚れするほどの男っぷりだった。
シモーニ。
表彰台を逃したのは残念だったが、去年の3位より彼自身はずっと満足しているだろう。
ゾンコランの上りで勝った、というだけではない。
ピエポリをはじめ、チームメイトに恵まれたこと。
そして優勝したディルーカと互いに讃え合う様は、去年のバッソとの確執とは対照的だ。
シュレック。
驚くべき新人。サイクルロードレースの未来を感じさせる、とはしばしば使われる言葉だが、
シュレック兄弟はまさに未来そのもの。まだあどけなさの残る表情と、
ディルーカやシモーニと対等、ときには彼らを上回る強さとのギャップが魅力的。
ペタッキ。
最終日ミラノゴールでも圧勝。
この日はミルラムのトレインが機能したが、
それ以外は力でねじ伏せる、という勝ち方。
これまでのいささかひ弱なイメージを一新したと言いたい。
ツールやブエルタでの、マキュアン、ボーネン、フレイレたちとの戦いは今から楽しみ。
この他にもマヨ、サヴォルデッリ、マッツォレーニ、ガルゼッリなどなど感動的な活躍をした選手たちが何人も思い浮かぶ。
「裏番組」であったドーピング・スキャンダルを消し飛ばすような、サイクル・ロードレースの魅力が詰まった21日間だった。