そんなに志が低いの?

若手医師、脳外科離れ 激務・訴訟リスクを恐れ?asahi.com

「激務・訴訟リスクを恐れ?」というのは疑問をさしはさむ余地がある。
日本では脳外科医は不足しているのではなく過剰であると言われてきた。
そのため手術の機会が乏しくなり、臨床能力が上がらない、とも言われた。
だからそもそも減少するのは自然で、
むしろ適正規模に向かっているのかもしれない。
その分、循環器や精神科に回るのなら、
社会的ニーズにも合っているのではないか?
脳外科医ゼロの県がある、というのは医師の地域的な偏在、
医療供給体制の地域差の問題を抜きには論じることはできないだろう。


この種の記事で挙げられる理由はたいてい推測の域を出ない。
まともなデータに基づいたものであることは少ない。
だから先入見に左右されることになる。


循環器科は激務ではないのか?訴訟は少ないのか?
そんなことはないだろう。
それに医学生は「楽で訴えられない」を主たる動機に進路を決めるのか?
そういう人もいるが決して多数派ではないだろう。
そこまで志は低くないだろう、と僕は思う。